投の形(なげのかた)

講道館柔道の技は「投技」「固技」「当身技」の三種類があり、「投技」は手技、腰技、足技、真捨身技、横捨身技に分類される。

投の形では各分類の代表的な3本づつ計15本を組合せ、各技について「取」は如何に崩し、如何につくり、如何に掛けるかを、また「受」についても如何に受けるかを修得するものである。

【昇段における評定】     

初段=手技・腰技・足技

二段=手技・腰技・足技・真捨身技・横捨身技


【 手 技 】

浮落(うきおとし)

受を右前隅に崩したあと、引手と釣手で強く引き落とし投げる。

別名、空気投げともよばれることがある。

 

背負投(せおいなげ)

受の振り上げた拳を手で受け止めてそのまま相手の腕を取り一本背負投に投げる。

元々は腕を逆手にとって腕を折るように投げたともいわれる。

 

肩車(かたぐるま)

受の重心を崩しながら足下に潜り込み担ぎ上げて肩越しに投げる。

2歩目の動きで引き手を組み替えることで絞技に対する防御を行う。

 

【 腰 技 】

浮腰(うきごし)

受の打つ拳をかわし、釣り手を脇の下に腕を入れ、体を密着させて腰の回転で投げる。

柔道の創始者である嘉納治五郎師範は浮腰を得意としていたといわれる。

 

払腰(はらいごし)

取は二歩目で釣手を受けの脇下から差込み両手で斜め前方に崩し、腰に乗せて足を払い投げる。

浮腰を前方に飛んで逃げようとするところをその逃げる足を払いながら喰い止めて投げを効かせるようにしたもの。

 

 

釣込腰(つりこみごし)

取は前回りさばきで腰を低く入れ、すくい上げるように腰の動きと引手と釣手とで前下(横)に投げる。払腰に対して体を反らせて耐えるところに腰を低くして入る。

 

【 足 技 】

送足払(おくりあしはらい)

受を引き手側に横へ送り、受の揃った両足を足裏で払って投げる。

 

支釣込足(ささえつりこみあし)

出てくる受の足首に足裏を当て支え、引手で釣り上げ体を捌いて投げる。

 

内股 (うちまた)

相手を右前方に崩しながら弧を描くように移動し、その円の中心を取って股(もも)で相手の内股(もも)を払い上げて投げる。

 

 

 

 

【 真捨身技 】

巴投(ともえなげ)

相手を前に崩し、真後ろに身を捨てつつ、片足の裏を相手の腿の付け根に当てて、押し上げるように真後ろに投げる。

 

 

 

 

裏投(うらなげ)

受の打つ拳をかわし相手の後方へと回り込んで相手の腰を抱えて相手を持ち上げて自身も後方へと倒れこみつつ相手を自身の後方へ投げる。

 

 

 

隅返(すみがえし)

自護体の相手を前に崩し、仰向けに身を捨てながら、足の甲を相手の太腿の内側に引っ掛けて跳ね上げ、頭越しに投げる。

 

【 横捨身技 】

横掛(よこがけ)

相手を軸足側に崩し、足払いで足を払うと同時に自分も横に倒れこんで投げる。

 

横車(よこぐるま)

受の打つ拳をかわし、背中に手を回して前に回り込み、自分の足を相手の両足の間に滑り込ませて相手を車のように回転させて投げる技。

 

 

 

浮技(うきわざ)

自護体で相手の足が踏み出した瞬間を狙って、前隅に重心を崩し、自分の足を相手の踏み出した足の横に差し出す様にしてあてて、体を捨てながら投げる。